貧すれば鈍す?地域おこし協力隊で考える
まあ、そんなことを考えさせられたある地域の地域おこし協力隊の実情。
そもそも、今年度で第1期生の3年間が終わる。で、志を持って島根の地にやってきた若者はその後どうするのか?地域は、そんな志を持った若者をどう支えていこうとしているのか。ずっと気にかかっていることでした。
僕の親しくしている地域おこし協力隊の何人かは、とても悩んでいる。彼らは任期の終わる3年後が全く見えないから。
確かに、癒しを求めて、今の仕事よりずっと楽そうだし、収入も良い。とりあえずトラバーユしよう(女性だけではなく)という隊員もいるようですが、問題は志を持つ若者たち。
ということで、ずっと気にかかっていた地域にお邪魔し、隊員、地域の人、隊員をサポートする集落支援員の人たちと意見交換をしてきました。
まず最初に、隊員はかわいそうだよなあと思うし、任期の終わる来年度、仮に地域に受け皿ができても残ることはないだろうと思います。また、新規の隊員もいつまで続くのかと。
お邪魔した地域、彼らの仕事は、草刈と福祉タクシーの運転手、それと農業の手伝い。
君たちも承知できたんだろう?
違うんですね。募集は総務省のお題目がそのまま掲載され、面接でもそんな話はなかった。
集落に配置されて1週間、何か違う、と思ったと言うんですね。
確かに、昨年夏、この自治体の役付担当職員と話した時、役場としては何のプログラムもない。手を上げた地域、その地域の要請のある仕事をしてもらう。多くは、高齢化で人出がないので草刈や農業の手伝いですと。
その自覚があるので、それが応募者に伝えられているかというと全く伝わっていない。
じゃあ、受け入れ側の集落はというと、人選するための面接時には立ち会うこともできない。
つまり、地元の意向は、配置されて初めて隊員に伝えられる?いや、自然に隊員が悟る?
俺たちは、草刈の人手を求めて手を挙げたんだから、君たちはその仕事をやっときゃいいんだ!と。これは、隊員の口から聞いたことではありませんが(念のため)。
でも、彼らをこのまま去らせちゃいけないという意識があるようで、彼らが仕事できる環境を整えようとNPOの設立に取り組んでいる。でも、そのNPOについて隊員たちとの意識共有は図られていない。
地域おこしという題目、地域の中でもそんなことを期待する人たちはいる。
しかし、隊員らの仕事は、地域の人たちの後継者である若者でさえ嫌がる草刈り。
地域おこしという仕事、それは自分たちのオフに考えてくれ。それは、君たちの将来のためでもある。
その理屈はとてもよくわかります。彼らにも甘えがあるかもしれない。それくらいの社会経験を積み、志を持ってきたんだから、自分たちの力でやるんだ!なるほど。
甘えだと断ずることは簡単。でもなあ、初めて直面する仕事がやったこともない草刈り。ひたすら草刈り。そこで、地域おこしという大きな課題にオフに取り組め。
もちろんできる人だっていますが、モチベーションがないとできないよなあと思います。
僕なら、さっさと尻を捲くるなあ。でも、それをしないところが今の若者?正直、彼らはすごいと思いました。
志ある彼らに、せめて立つ瀬を与えてやりたいなあと思います。
彼らの青年時代の貴重な3年間、残るものがなかったと思う隊員が一人でもいたら、それは、島根への評価にダイレクトにつながる。
もっと怖いと思うのは、折角人手が確保できた地域が、事業が終わりになってまた同じ思いをする。いや、それは、一層の負担感となって地域に覆いかぶさるはず。
こんな事業であるならやらないほうがいいと思う僕は、やはりおかしい?
| 地域振興 | 23:51 | comments:16 | trackbacks:0 | TOP↑
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| | 2013/11/01 07:16 | |